その14 線路跡を走って気仙沼線BRT!前編

ども、こんばんは、鉄道少年です!

 

前回

3日目は仙台からスタート、仙石東北ラインで石巻へ市役所が百貨店を

居抜いた石巻市役所を見て前谷地から柳津までやってきました。

気仙沼線前谷地駅から気仙沼駅を結ぶ約73kmの路線です。

東日本大震災による津波の影響で9駅が流失、1つの橋が落橋するなど

各所で路盤・築堤が流失し海岸部を通る区間は壊滅しました。

 

ここ柳津駅までの区間は震災から1か月で復旧しましたが、

残る多くの区間は、復旧に多額の費用がかかることに加え

利用者数減少の見込みから断念する方向のようです。

そこで、不通区間をBRT方式で仮復旧することになりました。

BRTとはなにか・・・

簡単に言えば”代行バス”なのかもしれませんが、代行バスとは少し異なります。

そもそもBRTとはバス・ラピッド・トランジット(Bus Rapid Transit)の略です。

鉄道に代わる新たな交通手段として期待されています。

(といっても見た目は”バス”なのですが)

バスではありますが、扱い上は鉄路と同じです。

運転席も至ってフツー

車内もフツーですね。

 

そんなわけで、

◆柳津 11:39発 気仙沼線BRT 気仙沼ゆき

本数は震災前の鉄路時代よりも倍以上に増便されたそうです。

BRTになるとそれまで単線で行き違いが必要になり増便も難しかったことや、

停留所を多く簡単に増設することができるなどといったメリットがあるようです。

 

BRTは手つかずの状態になっている気仙沼線の横を走行します。

 

ちなみに、バスの車内放送にありがちな

「バスが停車してから席をお立ちください」がBRTになると

「BRT(ビーアールティー)が停車・・・」とわざわざBRTと名乗ります。

バスではなく”BRT”と定着させたいのでしょうかね。

BRTは柳津から2駅目の陸前戸倉駅に進入します。

分かりますでしょうか? この停留所のある場所は元々鉄道の駅があった場所。

そうなんです!

BRTは一部区間で一般道とは別のバス専用道を走行するのです。

一般道と専用道の間にはこのようにバーが設置されていて、

BRTが接近すると自動でバーが上がるようになっています。

 

バス専用道の記事と言えばこちらの記事も併せてどうぞ。

 

 

気仙沼線は単線だったので線路跡も単線です。

このため、BRTは途中で行き違いする必要があります。

なので、このように信号機が設置されていて

感知してから青に変わるようになっています。

専用道に入ってしまえば車窓は鉄道そのもの!

そんなわけで

トンネルにも入っちゃいます!

 

専用道は並走する道路を高架で渡っていきます

単線なので所々に待機所が設置されていました。

BRT運転席にある運転支援システム(?)に

対向バスが接近すると音が鳴るようになっているようです。

乗車便では専用道上での対向はありませんでしたが、信号を見ればわかる通り、

接近時は赤信号になっているので一旦停止して感知され青になって再出発となります。

現在BRTで専用道を走行する区間は一部となっていて

順次、工事を行い専用道を設置するようです。

そのため、無理やり専用道から一般道へ降りる道が設置されていて

かなり急な坂と急カーブで一般道へ合流します。

志津川駅の周辺は津波による壊滅的な被害を受けており

鉄道の高架橋だけ今でも残っている状況でした。

鉄道の高架橋以外はというと、

このようにかさ上げ工事が行われています。

かなりの土が舞い上がるようで道路も車も汚れが凄かったことが印象的でした。

そして、コチラ。

テレビなどで見た方も多いかもしれません。

南三陸町防災対策庁舎』です。

この庁舎は地震発生直後に災害対策本部が設置された場所。

震度7地震にも耐えられる防災拠点として建てられ

中には50名以上の人々がいました。が、

ここ南三陸町には想定された6mの津波を遥かに超える

15mもの大津波が庁舎を乗り越えていき

この庁舎内だけで43名の方が犠牲になられました。

最後まで防災無線で避難を呼びかけた女性も

亡くなったという話は聞いたことがあるかもしれません。それもこの場所です。

 

自分は、この地に来るまで「そんな震災遺構は保存する必要が絶対ある」

考えていました。でも、この場所がこうやってかさ上げをして

新しい街へ変わろうとしているなかで保存をしてしまうと

完全には新しい街になれないのではないのか。

地元住民や遺族の事を考えると保存だけが正解ではないのだと思いました。

 

これは震災遺構の保存か解体の選択が相当難しい課題であることを実感しました。

 

いろんなことを乗車中に考えながらバスBRTは歌津駅に入ります。

 

ここは駅舎がしっかり残っていました・・・

 

 

 

次回へ続きます。

 

 

 

~参考文献~

南三陸町防災対策庁舎 - Wikipedia

南三陸町の防災庁舎「見世物にしていいのか」 痛切な遺族の声 | 安藤健二

 

 

 

 

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 次回「線路跡を走って気仙沼線BRT!後編」お楽しみに!

 

 

 

※次回予告はテキトーにつけてるので実際のタイトルと異なる場合があります。

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